ディースクエアードの歴史

 ディースクエアード(Dsquared2)は、カナダ出身のディーン・カートンとダン・カートンの双子の兄弟が主催するイタリアのブランドです。ディースクエアードのブランドを立ち上げた2人は、ダナ・キャランやタケコシ・ナオ、マーク・ジェイコブスなど有名なデザイナーもを輩出したマンハッタンのパーソンズ・スクール オブ デザインの出身です。卒業後は、カナダのトロントで活動。アシスタント経験などをし、デザイナーとして6年のキャリアを積んだあと、ニューヨーク生活を経て、1990年頃からイタリアミラノに活動の場を移します。ミラノでデザイナーやスタイリストをしながらファッションビジネスを学んでいましたが、1994年にD2のブランドでパリの展示会「SEHM」で作品を発表しはじめ、1996年ミラノコレクションに参加して、作品を発表しています。ディースクエアードは、メンズ主体ながら2003年からはレディースも手がけ始めます。ディースクエアードは日本では、2004年青山に路面店「アティック」がオープンしています。

ディースクエアードのコンセプト

 ディースクエアードのデザインコンセプトは、アンバランスと言っていいでしょう。トップをテイラードのジャケットで装いながらも、ダウンはジーンズやカジュアルパンツで合わせてくるなど、あえて既成のコンビネーションを拒絶する手法は、コスモポリタンなセンスに拠るのではないでしょうか。またディースクエアードのユニセックスなデザインは、最近のニューヨークのファッショントレンドを彷彿させるもので、シェープなどの切れの良さは、カートン兄弟の出自を表していると言っていいでしょう。カートン兄弟の出身がパーソンズ・スクール オブ デザインと言うだけあって、アート感覚溢れるデザインがディースクエアードの持ち味です。しかし、ディースクエアードをアメリカやカナダのカジュアルデザインとイタリアデザインの融合から、アバンギャルドながら繊細で、シンプルであるけれどウィットに富んでいる、カジュアルウエアのブランドと捉えてしまうのは早計です。ディースクエアードは、アートな表現を標榜しているブランドと認識するべきもので、今後の展開に期待が持てるブランドと言えるでしょう。

ディースクエアードの日本での展開と人気

 ディースクエアード国内では、三崎商事によって展開されています。表参道に出店したアティックは、ディースクエアードのアイテムだけをフルラインアップした専門ショップです。その作りはいかにもディースクエアードのテイストを意識したもので、隠れ家的な一軒家で、直線と白を基調として、鮮明な垢によりアクセントを施しています。他には、ディースクエアードは伊勢丹やセレクトショップで扱われています。ディースクエアードのお洋服は、ニキータ・ヴァンサンカン・oggi CLASSY.styleなどで引っ張りダコで雑誌にもよく採用されています。反面、ディースクエアードのファッションは、誰でも着こなしが出来るものではなく着こなす人に、ダナ・キャランと同様に自己主張を求める類いのブランドです。しかし、ファッションをあくまでアートとして満喫したい人には見逃せないブランドとも言えます。高品位なファッションブランドとしてディースクエアードの存在は際立っていますが、その真価が認められるには、まだ時間がかかると思われます。

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